2016.1/10「クリード」

「クリード チャンプを継ぐ男」オリジナル・サウンドトラック(スコア)

有楽町ピカデリーで観賞

アポロ・クリードの忘形見と彼の友人でありライバルだった、ロッキー・バルボア

の物語。

アポロの奥さんメアリー・アンが、旦那の不倫相手の子供である、アドニスを少年更生施設に迎えに

行くところから物語が始まる。アドニスに彼の父親が夫である事を告げ、彼が名前を

尋ねると、画面が暗転し、太いゴシック体で「CREED」とタイトル、カッコイイ。

現代っ子のアドニスとロッキーの会話も、世代の感覚のズレをうまく表現していて面白い、デジタルガジェットを使いこなすアドニスがメモをスマフォでキャプチャーし、メモを置いていこうとすると、「持っていかないのか?」「写真撮ったよ」「スマフォを

なくしたらどうする?」「クラウドにあるから」とちょっと空を見上げて、「雲がなんだって?」と聞くロッキー。会話の感じがキャラクターを生き生きさせている。

音楽の使い方が、お馴染みのテーマ曲を物語の緊張感が最高に高まった此処ぞというタイミングで使う、旨すぎる。

イーストウッドの「グラントリノ」と共通の精神を感じることができた映画だと感じた、スタローンの「クリード」の方がベタですごく饒舌な作品だが、人間関係資本が

人を成長させるし、心の安定や居場所を約束してくれる、それは血縁が必ずしも与えて

くれるわけじゃない、精神的に信頼できる関係を作ることでしか得られない。

二つの作品共に、擬似家族的なつながりから、人の成長を描く。

監督・脚本を手がけた、クーグラーと製作にも名を連ねるスタローンとの関係性もこの映画が持ってる熱量に寄与してるんだろう。